小中学校の頃、習字の授業中に墨汁がワイシャツに跳ねて染みが出来てしまい、帰宅したらお母さんにこっぴどく怒られたという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
墨汁は水にも油にも溶けにくい不溶性のススやニカワなどの接着剤を使用して作られているため、お洗濯のプロであるクリーニング屋さんでもなかなか落とすことができません。特に乾いてしまった墨汁汚れはより一層汚れが落ちにくくなるため、最悪の場合、ワイシャツを捨てなくてはならなくなります。
ですが、それはもう過去の話です。
現在ではワイシャツに付いた真っ黒な墨汁汚れを極限まで薄くする落とし方や洗濯方法が確立されており、ワイシャツを捨てることなく使い続けることができるようになりました。
そこで、今回はワイシャツに墨汁が付いた場合の落とし方と洗濯方法についてご紹介します。
まだ濡れている墨汁汚れの落とし方
ワイシャツに付いた墨汁汚れは乾いてしまうと非常に落としにくくなってしまうため、墨汁が付いてから完全に乾いてしまうまでのあいだに落とすのがポイントとなります。
・マジックリン
・石鹸
[落とし方]
①水で2倍から3倍に薄めたマジックリンを墨汁が付いた部分にかけ、石鹸をこすりつけて揉み洗いします。
②墨汁が全体に広がり始めるので、水道で洗い落とします。
③再び墨汁汚れに薄めたマジックリンと石鹸をつけて揉み洗いし、水道で洗い流します。
※これをしばらく繰り返します。
④汚れが見えなくなるまで落ちたら、通常通りお洗濯して完了です。
[注意点]
・マジックリンは「レンジ・換気扇回り専用」のものを使用してください。
・綿やポリエステルの厚手の白はゴシゴシ洗っても問題ありませんが、色物や柄物の場合は色落ちしてしまうので注意しましょう。
・レーヨン繊維、シルク、麻などの生地の場合、この洗濯方法で洗ってしまうと生地が破れたり裂けたりしてしまいますので、絶対にこの落とし方で洗わないようにしてください。
乾いた墨汁汚れの落とし方
学校の授業中に付いてしまった墨汁汚れの場合、子どもたちが学校から帰宅したときには、既にカピカピに乾いており、マジックリンと石鹸を使って落とすことも優れた洗浄能力を持つ「ウタマロ」やナチュラル洗剤の定番アイテム「重曹」を駆使しても落とすことはできません。
ですが、完璧に墨汁汚れを落とすことはできませんが極限まで薄くする方法はあります。
それは「キッチンハイター」を使うことです。
・泡タイプのキッチンハイター
[落とし方]
①乾いてしまったワイシャツの墨汁汚れに泡タイプのキッチンハイターを吹き掛けます。
②30分ほど放置し、お湯でしっかりと洗い落としたら完了です。
③あとは通常通りお選択してください。
[注意点]
・色柄物には向きません。
・完璧に墨汁汚れが消えるわけではありませんが、極限まで白くさせることができます。
・使用する際は眼鏡、ゴム手袋、マスク、換気を忘れずに!
ワイシャツに付いてしまった墨汁汚れは付いたばかりならば、まだ対策方法はあるのですが、乾いてしまうと何をしても取り除くことができません。
そのため、学校で習字の授業があるときは、
・汚れても後悔しない衣類を子どもに着させる
・墨汁汚れが比較的落ちやすいポリエステルやウール素材の衣類を着て行く
などの対策をとっておくと良いでしょう。