洗剤を使用せずに汚れを落としながら同時に除菌まで行えると幼いお子様のいるご家庭や年配者と同居されている方を中心に話題となっているスチームクリーナー。皆さんは使ったこと、ありますか。
「汚れを落としながら除菌ができるのは嬉しいけど、畳やフローリングに及ぼすダメージが心配」
といった悩みや不安もあり、購入を見送っている方も大勢います。
スチームクリーナーとは、100℃近い高温の蒸気を高圧で噴射して汚れを浮かせて取り除くことができる掃除用具であり、別名「スチーム掃除機 (蒸気掃除機)」とも呼ばれています。
スチームクリーナーには、内部で水を沸騰させて気化させることで水の体積を大きくして高圧でスチームを噴射させるボイラー式とポンプで汲み上げた水をヒーターで温めて蒸気を噴出させるポンプ式の2タイプあり、ボイラー式の方がポンプ式に比べて圧力が高めとなっているため、業務用として用いられることが多いようです。
現在スチームクリーナーには用途に合わせて、
・スティックタイプ
・キャニスタータイプ
3種類あり、特に天井や床掃除に最適なスティックタイプや大掃除のときに活用できるキャニスタータイプは、たいへん人気があります。
そんな家じゅうのありとあらゆる汚れを落としながら除菌も一緒に行ってくれるスチームクリーナーですが、引っ越したばかりで掃除慣れしていないお家のフローリングに使ってしまうと、取り返しのつかない大変な結果を招くことをご存知ですか。
そこで、今回はスチームクリーナーがフローリングに及ぼすダメージについてご説明します。
スチームクリーナーとフローリングの相性
洗剤を使わなくても優れた洗浄能力で汚れを落とし、さらに除菌まで行うことができる人と環境に優しい掃除道具として注目を集めているスチームクリーナーは、畳・カーペット・網戸・サッシ・換気扇・壁・タイル目地・ガステーブルとコンロ・車のシートなど、ありとあらゆる場所の汚れを落とすことができます。
しかし、万能に見えるスチームクリーナーが使えない場所も多々あります。
その代表例が「フローリング」です。
CMやネットショッピングでスチームクリーナーを紹介する際、フローリングに付着した汚れを落としているシーンをよく見かけますが、スチームクリーナーをフローリングに使用する際は必ずフローリング材を調べてから使用しなくてはなりません。
特に1枚の無垢や白木などの板を基材とする単層フローリングは、スチームクリーナーと相性が悪く、そのなかでもとりわけ相性が悪いのが柔らかい材質の針葉樹系が使われている無垢フローリングです。
柔らかい素材の無垢フローリングの汚れをスチームクリーナーで落としてしまうと、表面が毛羽立ってしまったり、反り返しや収縮割れを引き起こす原因となります。
引っ越したばかりで掃除慣れしていないお家のフローリング掃除にスチームクリーナーを使う場合は、必ずフローリング材を調べてから使うようにしましょう。
掃除するときの注意点
スチームクリーナーによってフローリングにダメージを与えないためには、フローリングの材質について調べてから使うことが基本となりますが、もう1つ注意しなければならないことがあります。
それは、フローリングの表面を保護しているワックスです。
フローリングに塗られているワックスは、通常スチームクリーナーから噴射される高温高圧の蒸気には耐えることができるのですが、何年もフローリングのワックスを塗り直していなかったり、定期的にワックスを塗り直していたとしてもフローリングとワックスがしっかりと密着していない雑な仕上がりの場合、ワックスが剥げてしまうことがあります。
スチームクリーナーは100℃近い高温高圧の蒸気で汚れを浮かせて落としてゆく掃除道具ですので、フローリングのワックスが剥がれてしまうのではないかと心配な方は、スチームクリーナーを使用する前に高温の蒸気で蒸したタオルをフローリングの目立たない場所に当ててパッチテストをするのが良いでしょう。
また、フローリングだけではなく、スチームクリーナーを壁紙に使用する際も壁紙の種類によっては剥がれてきてしまうことがありますので、パッチテストを行ってからスチームクリーナーを使用することをおすすめします。
フローリング掃除のワンポイントアドバイス
スチームクリーナーでフローリングを掃除する場合、
・汚れが付着している部分にしっかりと接触させる
・1秒間に30cmくらいのゆっくりとした速度で動かしてゆく
・水分を残さない
・毎日使用しない
この5つを守って掃除するようにしましょう。
スチームクリーナーがフローリングに及ぼすダメージについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
フローリングにダメージを与えないためには、
・スチームクリーナーを使っても安全なフローリング材か調べる
・ワックスが剥がれないか使用する前に蒸しタオルでパッチテストを行う
この2点をしっかりと確認してからスチームクリーナーをフローリングに使用するかどうかを決めましょう。