欧米では主流となっているドラム式洗濯機ですが、日本では古くから縦型洗濯機が主流であったため、ドラム式洗濯機を置くスペースを確保することができない、洗濯物の出し入れ時に腰に負担が掛かるなどの理由から、あまり人気がありませんでした。
しかし、2003年にパナソニックより「ななめドラム式」を採用したドラム式洗濯機が発表されると、洗濯物の出し入れがスムーズに行えると話題になり、さらに従来の縦型洗濯機と比べて節水効果が高く、洗濯時に糸くずが出にくくなった、洗濯物が傷みにくく、シワになりにくいなどの利点も注目されるようになり、今では毎日お洗濯を欠かさない主婦やキレイ好きな男女を中心にじわじわとドラム式洗濯機が普及し始めています。
ただ、ドラム式洗濯機は洗濯物を出し入れする部分が斜めまたは横にあり、しっかりとした乾燥機能も付いているため、縦型洗濯機と比べるとちょっぴりお手入れに手間が掛かったり、掃除の際の注意点も多いのが難点となっています。
そのため、縦型洗濯機からドラム式洗濯機に買い替えた際、ちょっぴり掃除の面で苦労することも多々ありますが、コツさえ掴めば誰でも簡単にドラム式洗濯機の掃除を行なえるようになります。
そこで、今回はドラム式洗濯機の掃除頻度と掃除方法についてご説明します。
どれくらいでホコリが溜まるのか
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と比べると糸くずが出にくいため、ホコリやゴミが溜まりにくいと思っている方も多いと思いますが、実際はドラム式も縦型もホコリやゴミの溜まり具合はさほど変わりません。
洗濯機などの大物家電の場合、1度にまとめて掃除をしようとすると時間が掛かりますし、掃除が行き届かずに大雑把になってしまうこともありますので、汚れやすい場所と汚れにくい場所に分けて掃除をするのがポイントです。
汚れやすい場所と掃除頻度
糸くずフィルターや乾燥フィルター、液体洗剤と柔軟剤投入口などは洗濯機を動かす度に汚れる場所ですので、1日1回は必ず掃除するようにしましょう。
もし、洗濯機を毎日使用していないという一人暮らしの学生や社会人の場合、洗濯機の掃除を疎かにしやすい傾向がありますので、洗濯機を使ったら掃除するという習慣を身に付けておくようにしましょう。
汚れにくい場所と頻度
洗濯槽や洗濯機の下や外側などはゆっくりと時間をかけて汚れが溜まってゆく場所ですので、ある程度汚れが溜まったなと思ったら一気に掃除するのがポイントです。
ただ、洗濯槽や洗濯機の下などの汚れにくい場所は洗濯機の使用頻度などによって汚れの溜まり具合が異なりますので、頻繁に洗濯機を動かしている方は2ヶ月に1回、あまり洗濯機を動かしていない方は3ヶ月に1回のペースで掃除を行うのが良いでしょう。
ドラム式洗濯機の掃除方法
ドラム式洗濯機は水平方向の回転軸を持つ「ドラム」と呼ばれる洗濯槽を利用した洗濯乾燥機ですので、洗濯物を上から下へと落として洗う「たたき洗い」で汚れを落として行くのですが、縦型洗濯機は渦巻き状の水流を作って揉み洗いで汚れを落としてゆきます。
他にもドラム式洗濯機と縦型洗濯機では洗浄力や乾燥力、節水性など多々異なる点がありますが、最も大きな違いは掃除方法です。
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機よりもメンテナンスしなければならない場所が多いため、
・ドアのパッキン部分⇒1週間に1回
・糸くずフィルターや液体と柔軟剤投入口など汚れやすい部分⇒1日1回
といったかたちで掃除場所を分けてゆくとスムーズに掃除することができます。
では、それぞれの場所別掃除方法を簡単にご紹介しましょう。
洗濯槽の掃除方法
ドラム式洗濯機の洗濯槽を掃除する場合、洗濯槽のかたちや洗濯コースなどによって掃除方法が異なりますので、現在お使いのドラム式洗濯機の取り扱い説明書に従って掃除してください。
洗濯槽の掃除で使用する洗剤は、ドラッグストアなどで購入できる一般的な洗濯槽クリーナーではなく、メーカー推奨の洗濯槽クリーナーを使用した方が隅々までキレイに汚れを落とすことができます。
ただ、お値段が若干お高めなので、もう少しコストを抑えて洗濯槽を掃除したい方は、重曹とクエン酸で汚れや除菌を行った後に酵素系漂白剤で仕上げる方法がおすすめです。
細かいパーツの掃除方法
乾燥フィルターや糸くずフィルター、液体・柔軟剤投入口などの細かいパーツ部分にホコリなどの汚れが溜まってしまうと洗濯の質が低下してしまいます。
取り外せるパーツは全て取り外し、バケツにぬるま湯を入れてヘッドの小さな柔らかい歯ブラシとぬるま湯を使って出来る限り汚れを洗い落としてください。
糸くずフィルターや洗剤・柔軟剤の投入口などは本体側にもたっぷり汚れが付着していますので、歯ブラシや竹串、雑巾などを使ってキレイに取り除きましょう。
ドアのパッキン部分の掃除方法
ドラム式洗濯機のフタやパッキン裏、洗濯槽のふちは陰になっていて汚れを見逃しやすい場所でもあります。
しかし、こうした部分にはホコリや洗剤カスなどの汚れが溜まりやすいので、手にタオルを巻き付けて汚れを拭き取ってゆきましょう。
特にドラム式洗濯機のパッキン部分は内側に洗剤や柔軟剤が入り込みやすいので、60℃ほどの温かいお湯をかけてからタオルで優しく汚れを拭き取ってゆきましょう。
「ドラム式洗濯機ってお手入れが大変なんだな」と感じた方も多いと思います。
確かに縦型洗濯機と比べると掃除頻度が高く、掃除するのに若干の手間はかかりますが、洗濯する際に使用する水の量を節約でき、衣類の傷みやシワを抑え、糸くず汚れが出るのを最小限に防いでくれます。
ドラム式洗濯機も縦型洗濯機もこまめに掃除しなければならない点は同じですので、今後洗濯機を買い替えることになった場合は、縦型洗濯機だけではなく、ドラム式洗濯機も選択肢の1つに入れ、あなたのライフスタイルやお持ちの衣類などに合わせた洗濯機を選んではいかがでしょうか。