平安時代のころから日本の住宅に使われている障子には、
・柔らかな照明効率を上昇させる作用
・空調効果
・結露予防
など、お家を守る様々な効果を得ることができることから、最近では若い世代を中心にじわじわと人気を集めています。
ところが、子どもの居る家庭やペットを飼っているお家では、子どもたちがイタズラで障子に穴を開けたり、落書きをしたり、ペットが障子紙をビリビリに破いてしまうなどのトラブルも多く、頻繁に障子の張り替えを行わなければなりません。また、障子は紫外線によって色褪せて見栄えが悪くなってしまうので、定期的に張り替える必要があります。
ですが、障子を張り替えるには、まず枠から傷んだ和紙をキレイに取り外し、シワにならないように気を付けながら新しい和紙を張り付けて行かなければなりません。そのため、専門業者さんに頼んでしまう方も少なくありません。
しかし、いまでは障子の張り替えに使用する紙の種類も増え、障子の張り替え初心者さんでも短い時間でパパッと簡単に張り替えができるようになりました。
そこで、今回は障子の張り替え初心者さんでもキレイに仕上げることができるアイロンを使った張り替えテクニックをご紹介します。
アイロンによる張り替え方法
・アイロン
・地ヘラまたはカット定規
・プラスチック製の障子紙
[前準備]
・古い障子紙を剥がしておきます。
・障子枠に溜まったホコリや付着した汚れをキレイに取り除いておきましょう。
・枠が濡れている場合は、しっかりと乾かしてから張り替え作業に移ってください。
・アイロンをドライ中温にセットしておきます。
[張り替え手順]
①障子枠を床に置き、プラスチック製の障子紙を上に乗せて貼る位置を決めます。
②位置が決定したら、上桟の2、3か所にアイロンの先端部分を当てて仮止めします。
③障子紙を枠に対して平行になるように広げ、端も同じようにアイロンで仮止めしてゆきましょう。
※たるみができやすいので、1人で張り替えるのが難しい場合は、家族に手伝ってもらうのがオススメです。
④枠の中心から周囲に向かって桟に沿って、ゆっくりと丁寧にアイロンを動かして接着してゆきます。
※アイロンを早く動かしたり、強く押さえてしまうとシワができてしまいます。
※枠の内側にヘリ(1段凹んでいる部分)がある場合、先に仮止めした部分に再度アイロンを当て、まだ温かいうちに一旦剥がしてください。端を剥がしたら、アイロンの角を使って枠のヘリに決め込んでゆきましょう。
⑤枠の周囲をゆっくり丁寧に接着してゆきます。
⑥キレイに接着したら、枠周囲の接着部分を1cmほど残して、カッターで余分な障子紙をカットします。
※枠にヘリがある場合、ヘリに沿って障子紙をカットしてください。
⑦カット後、アイロンを当てながら温かいうちに障子紙を取り除いてゆきます。
⑧仕上げにもう1度縁まわりにアイロンを当てたら完成です。
[注意点]
・アイロンを使って張り替える場合、アイロンで張るタイプの障子紙を用意しましょう。
・アイロンのかけ忘れをしてしまうと、障子紙が剥がれてしまいます。
・プラスチック製の障子紙は、ザラザラしている面が下、ツルツルしている面が上になります。
障子の張り替え時期
障子の張り替え時期ですが、障子は1度張り替えると平均5年は張り替えなくても良いと言われています。しかし、お住いの環境や障子紙の種類などによって障子紙の傷み度合は異なりますので、
・汚れが付着している
・色褪せ
などが見られる場合は、速やかに張り替えるのがオススメです。また、成人式や結納など冠婚葬祭のタイミングで障子紙を張り替える方もいます。
障子の張り替えをアイロンで行う方法と張り替え時期についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたか。
障子も年月と共にゆっくりと劣化をしてゆきますので、徐々に障子が持つ優れた効果を得ることができなくなってしまいます。そのため、『穴や破れが無いから平気』『まだ目立った汚れが付着していないから張り替えなくても良いか』とお考えの方は要注意です。
この5年間のあいだに1度も障子を張り替えたことの無い方は、この機会に障子紙を張り替えてはいかがでしょうか。