おしゃれ着を着ていると、
『おしゃれ着を洗濯するときは、いつも使っている洗剤を使ってはいけない』
など、オシャレなお友だちやママ友から言われたことのある女性も多いのではありませんか。
ところが、『おしゃれ着とは、どんな服なのか』『おしゃれ着専用の洗剤と普通の洗剤の違いは何か』と訊ねると、『おしゃれ着は、おしゃれ着よ~』とごまかされたり、『おしゃれ着専用の洗剤の方が、普通の洗剤よりも洋服に優しいんじゃない』といった返事が返ってきて、結局おしゃれ着とはどのような衣類なのか、どのメーカーのおしゃれ着専用の洗剤を使ったら良いのかが分からず、困っている方も少なくありません。
そこで、今回はおしゃれ着とはどのような衣類なのか、おしゃれ着専用の洗剤の違いについてご説明します。
おしゃれ着とは
おしゃれ着とは、羊毛やシルクなどのデリケートな素材が使われている衣類全般のことであり、「これがおしゃれ着だ!」という明確な定義は存在しません。
そのため、普段の洗濯によって衣類に毛玉ができたり、毛羽立ち・ヨレ・伸び・色あせ・型崩れなどが生じる恐れのある衣類は全て「おしゃれ着」となります。
おしゃれ着の定義が無いため、見分けるのが難しいのではないかとお考えの方も多いかもしれませんが、どの衣類にも必ず備え付いている「洗濯絵表示」を確認することで、お手元にある衣類がおしゃれ着かどうかを簡単に
見分けることができます。
おしゃれ着に取り付けられているタグの洗濯絵表示には、必ず「手洗いのマーク」もしくは「洗濯不可のマーク」が描かれていますので、洗濯する前に1度洗濯絵表示を確認されることをオススメします。
おしゃれ着洗剤と普段の洗濯洗剤の違い
おしゃれ着洗剤と普段の洗濯に使用している洗濯洗剤の大きな違いは「液性」です。
洗剤は、それぞれ「pH値」と呼ばれる数値によって、酸性・中性・アルカリ性などに分けられています。pH値はアルカリ性が高ければ高いほど洗浄力が高く、酸性に近付くほど洗浄能力が低くなります。
ならば、アルカリ性の洗剤で洗濯した方が汚れもスッキリ落とせて良いのではないかと思われる方も多いと思いますが、アルカリ性が強くなると手荒れなど皮膚への影響が高くなるだけではなく、衣類への負担も大きくなるため、あまり良いとは言えません。
さらに、羊毛やシルクなどのたんぱく質が含まれている素材にアルカリ性の洗剤を使用してしまうと、縮みや劣化を早める原因となるため、おしゃれ着に使用する洗剤は、必ずヒトと衣類に優しい「中性」の液性となっています。
また、おしゃれ着専用の洗剤には、蛍光増白剤が含まれていません。蛍光増白剤には、繊維をより白く見せる効果があり、太陽から降り注ぐ紫外線を吸収し、洗濯物から青白い光を発することができます。そのため、一般的な洗濯洗剤には蛍光増白剤が含まれていることが多く、白いTシャツやワイシャツが輝いて見えるのは、この成分の働きによるものと言われています。
ただ、蛍光増白剤が含まれる洗剤を使って綿や麻などの淡い色合いの衣類を洗濯してしまうと、色むらが生じる恐れがありますので、注意が必要です。
これまで『なぜ、おしゃれ着は専用の洗剤で洗濯しなくちゃダメなのか』『そもそも、おしゃれ着とはどのような衣類なのか』と疑問に思っていた方も大勢いたのではないでしょうか。
おしゃれ着には明確な定義が無いため、ついつい普段の洗濯物と一緒に洗ってしまう方もいますが、衣類に使用されている素材によって洗剤を使い分けることで、大切な衣類を長く着続けることができるようになります。
この機会に、いまお使いの洗剤とクローゼットに収納されている衣類の相性を調べて、相性が悪ければ相性の良い洗剤に変更してみてはいかがでしょうか。