お家の至るところで増殖中の細菌やカビを撃退したり、頑固な油汚れや水垢、嫌なヌメリ汚れをスッキリ落とすことができる人と環境に優しいナチュラル洗剤といえば、重曹やクエン酸、過炭酸ナトリウムなどが有名ですが、なんと賞味期限が切れてしまった「小麦粉」もナチュラル洗剤の1つだということをご存知でしたか。
「賞味期限の切れた小麦粉が洗剤に?」と驚かれた方も多いと思いますが、小麦粉には水や油を吸着する性質があり、さらに1粒あたりの粒子もきめ細やかで非常に小さく乾燥しているため、キッチンペーパーなどで水や油を吸い取るよりも小麦粉をまぶした方が効率良く汚れを取り除くことができるのです。
「ならば賞味期限の切れた小麦粉にこだわる必要はないのでは?」という方も多いと思います。
もちろん、賞味期限の切れていない小麦粉もナチュラル洗剤として使うことができるのですが、まだ食べることができる小麦粉を掃除道具として使用するのはもったいないですよね。その点、賞味期限が切れている小麦粉であれば、心置きなく掃除道具として使用することができます。
では、さっそく賞味期限切れの小麦粉をたっぷり使った掃除方法をご紹介しましょう。
床にこぼしてしまった油の掃除
揚げ物や炒め物を作っている際、うっかり床に油を落としてしまったという経験はありませんか。そんなときは小麦粉に油を吸収してもらいましょう。
まず、こぼした油の上に小麦粉を振りかけます。
しばらくすると小麦粉が油を吸収してダマになりますので、キッチンペーパーなどを使って拭き取りましょう。
まだ、油が床に残っているようならば、中性洗剤を使って水拭きをすると油特有のテカテカとした光沢が消えるかと思います。
小麦粉は食用油だけではなく、石油ストーブの給油中にこぼしてしまった油も吸収することができますので、賞味期限の切れた小麦粉を石油の入ったポリタンク付近に置いておくとたいへん便利です。
キッチン周辺の油汚れを掃除
小麦粉はガスコンロや換気扇、シンクといったキッチン周りの油汚れを落とすのに適した掃除道具です。
特に換気扇の油汚れはベタベタ・ギトギトしていて落としにくいため、取り外した換気扇にサッとお湯を掛けて油を浮かせたら、小麦粉をまんべんなく振りかけて30分ほど放置します。
その後、軍手を装着して小麦粉を換気扇にこすり付けるように軽く力を入れて撫でてください。すると、油を吸った小麦粉がポロポロと落ちてきますので、あとは重曹やセスキ炭酸ソーダなどを使ってピカピカにしてゆきましょう。
調理器具に付着した油汚れの掃除
小麦粉には水や油を吸収する性質がありますので、調理の後片付けの際に洗う順番を工夫することで食器洗いを楽に済ませることができます。
例えば、天ぷらやホットケーキ、餃子など小麦粉を使った料理を作った際、小麦粉が残っているボウルを洗う際に油がたっぷり付着したフライパンなどと一緒に洗うことでスムーズに洗い物を終わらせることができます。
洗い方のコツは、小麦粉が残っているボウルに水を入れてかき混ぜます。フライパンなどの調理器具に先ほど作った小麦粉溶液を入れ、軽くかき混ぜたらしばらく放置します。あとはいつも通り洗い物をするだけです。
たったこれだけで調理器具に付着した油汚れをスッキリ落とすことができます。
ステンレスのサビ汚れを落とす
ステンレス製の調理器具は、ステンレスとは異なる金属が接触することで電流が流れて一方の金属がさびやすく、さらに既にサビ付いている調理器具を近くに置いておくことで「もらいサビ」が生じてしまうことがありますので、ステンレス製の調理器具がお家にある方は要注意です。
ですが、小麦粉とお酢さえあれば、いつでもステンレス製の調理器具に生じたサビをキレイに落とすことができます。
①小麦粉とお酢を混ぜ合わせてペースト状にします。
※割合は特に決まっていませんが、使い勝手の良い濃さになる割合で混ぜるのがポイントです。
②柔らかいスポンジに①をつけ、ステンレスを磨いてゆきます。
③濡らした雑巾で磨いた部分をサッと拭き取ったら掃除完了です。
ステンレスは酸性に弱い性質を持つ金属ですので、お酢の成分が少しでも残ってしまうと大変なことになります。拭き残しが気になる方は、雑巾で拭き取った後に中性洗剤を使って洗うのがオススメです。
いかがでしたでしょうか。
小麦粉は油汚れをキレイに落とすことができる万能掃除道具ではありますが、重曹やクエン酸などとは異なり洗浄能力は一切ありません。そのため、掃除の際に小麦粉を使用した場合、必ず洗浄能力を持つ洗剤を使って小麦粉を使用した部分を洗い落とさなければなりません。
また、小麦粉を排水口に流してしまうと、次にお湯などを使用した際、排水口の中で小麦粉が固まってしまい、つまりを引き起こす原因となりますので、小麦粉を排水口に流さないように気を付けましょう。