日本には春から夏へと季節が移り変わる際、梅雨がやってきます。梅雨を迎えると、雨の日が多くなるため、洗濯物が外に干せず室内に干すことになるため部屋が湿気でベタベタしたり、洗濯物が生乾きの嫌な臭いを発するようになったりと日常生活に支障がでてきます。
なかでも梅雨の時期で最も気を付けなければならないのが「カビ」です。
カビの中には醤油や納豆など加工食品の製造に役立つものも多々いますので、そんなに悪い存在ではないのではないかと思われている方も多いと思いますが、黒カビや赤カビといったお家の中に発生するカビたちは、1度発生するとなかなか取り去ることができず、気付かずにそのまま放置してしまうと、室内がかび臭くなったり、アトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性疾患を発症する原因となりますので、黒カビや赤カビが発生する前に正しい防止対策と掃除方法を身に着けておくことが大切です。
カビが発生する条件とは?
黒カビや赤カビなどのお家の中に発生するカビたちは、空気中を浮遊しながら
・湿度60%から80%のじめじめとした場所
・ホコリや石鹸カス、垢、油汚れなどエサとなるものがたっぷりある場所
といった繁殖に適した場所を探しています。
カビは初期段階ならばサッと拭き取ることで対処することができますが、放置してしまうと菌糸を伸ばして奥深くにまで根を張って住みついてしまいます。この段階になると残念ながら完全にカビを駆除することが非常に困難となってしまいます。
梅雨は夏へと移り変わる時期ですので、温度が高く、毎日降り続く雨によって湿度も高くなりやすいため、水分やエサとなるホコリなどを溜め込まないよう、こまめに掃除することが大切です。
梅雨のカビ防止対策
日本の梅雨はジメジメ・ムシムシとした日々が続くため、お家の中の温度と湿度を徹底管理し、エサとなるホコリなどを溜め込まないようにこまめな掃除を行うことがポイントとなるのですが、他にも梅雨の時期にカビを発生させない防止対策を合わせて行うことで、より効果的にカビの発生を抑えることができます。
普段滅多に開けることのない押入れや納戸、寝ているあいだに大量の汗を吸い込んでいる寝具は梅雨の時期になるとカビが生えやすい場所の1つとなっています。
押入れや納戸にカビを発生させないためには、床にすのこを敷いて定期的に戸を開けっ放しにして風通しを良くするのが良いとされていますが、いろいろなモノが入っていて開けっ放しにするのはみっともないという方は、戸を10cmほど開いて扇風機やサーキュレーターを使って押入れや納戸の中へと新鮮な空気を送り込むと開けっ放しの状態と同じ効果を得ることができます。
梅雨の時期は雨が続いていてなかなか寝具を干せない場合は、布団の下に敷くだけで汗や湿気を吸い取ってくれる寝具専用の除湿剤などを利用するとカビの発生を抑えることができます。
キッチンの流し台や洗面台など水を頻繁に使用する場所は湿気のこもりやすい場所ですので、梅雨を迎える前にカビ対策を行うようにしましょう。流し台や洗面台の下の扉を開き、パイプに水滴が付いているかどうかを確認してください。
もし大量の水滴が付いていた場合、湿度が高くなっている可能性がありますので、毎日こまめにパイプの水滴を拭き取るようにし、新聞紙やシートタイプの除湿剤を設置して湿気がこもるのを抑えましょう。
流し台の下を食品の保存場所として利用されている方は、この時期は他の冷暗所で保管するようにし、出来る限り食品を流し台の下には入れないようにしてください。
他にも湿気に弱い衣類は高い場所に収納する、洗濯槽掃除をこまめに行う、雨の日でも窓を開けて換気をするなどもカビを防止するための良い方法とされています。
カビが生えてしまったときの掃除方法
どんなに防止対策を行っていても生えてしまうのが「カビ」です。
そんなときは、
・マイクロファイバークロス
・使い古しの歯ブラシ
・重曹
これらのアイテムがあれば頑固なカビにも対抗することができます。
では、これらのアイテムを使ったカビ掃除の方法をご紹介します。
①カビが発生している部分に付いている水滴をマイクロファイバークロスでしっかりと拭き取ります。
②拭き取った場所にアルコール水を吹きかけます。
③乾いた柔らかい布で吹き掛けた部分を拭いたら掃除完了です。
①カビが発生しているお風呂場のドアやゴムパッキン、タイルの目地に重曹を振りかけます。
②使い古しの歯ブラシを使ってこすり洗いします。
③しっかりと洗い流したら掃除完了です。
アルコール水や重曹を使っても取り去ることができない頑固なカビは、「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれている塩素系カビ取りジェルなどを使うと退治することができるのですが、強力なカビ取り剤は取り扱いが難しいため、ここは専門の業者さんに取り除いてもらうようにしましょう。
日本は季節の変わり目になると雨が降りやすくなり、カビが発生しやすくなります。特に現代の日本は昔に比べると気密性の高い住宅が多いため、よりカビが発生しやすい状態となっています。
梅雨だけではなく、常日頃からカビ予防対策を行うようにしましょう。