部屋干しの洗濯物が臭くなる原因とその対策方法

部屋干しの洗濯物が臭くなる原因とその対策方法 | カンタン掃除とアイデア洗濯術 CLEAN HOUSE雨が連日降り続く梅雨の時期や花粉、PM2.5などの飛散が確認されたとき、女性の積極的な社会進出、単身者の増加などに伴い、洗濯物を部屋干しされる方が急増している現代では、ここ十数年のあいだに「洗濯物を毎日室内に干している」と答える方がおよそ7倍も増えていることがライオン株式会社の調査によって明らかにされました。

しかし、洗濯物を部屋干しすることで、

・屋外に干したときよりも洗濯物が乾きにくい
・部屋干し特有の生乾きのにおいが気になる
・お部屋がジメッとしていて気持ちが悪い
・乾きムラが出来てしまう

といった問題も出てきます。

特に部屋干し特有の生乾きの臭いは、洗濯機で落としきれなかった皮脂汚れや垢などが化学的に変化したり、落としきれなかった汚れをエサにカビや雑菌が繁殖することで生成されるものですので、こうした生乾きのにおいを発している衣類やタオルなどを構わずに使い続けてしまうと、健康を害したり、肌荒れなどを引き起こす原因となります。

ですが、人によってはどうしても洗濯物を屋外に干すことができないという方も大勢います。

そこで、今回は部屋干しの洗濯物から生乾きの臭いが発生する原因とにおいを発生させないための対策方法をご紹介します。


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部屋干しの洗濯物から発せられるにおいの原因

部屋干しの洗濯物から発せられる生乾きのにおいは、

・洗濯機で落とし切ることができなかった皮脂汚れや垢などの変質によるもの
・落としきれなかった汚れをエサにカビや雑菌が繁殖した
・洗濯物が乾くまでに時間がかかった
・洗濯槽が汚れている
・お風呂の残り湯で洗濯してしまった

などが主な原因とされており、中鎖アルデヒド、中鎖アルコール、ケトン、窒素化合物、硫黄化合物、脂肪酸などがにおいの元ではないかと考えられています。

特に長年愛用している衣類やタオルなどの場合、キレイに洗って屋外に干したにも関わらず、雑巾のような悪臭を放っていることがあります。

これは、日和見感染菌の1種である「モラクセラ菌」が洗濯しても落とすことができなかった皮脂汚れや水分をエサに繁殖する際に「4-メチル-3-ヘキセン酸」が発生することで生じていると考えられています。

ならば、モラクセラ菌を退治することで衣類やタオルなどから発せられる雑巾臭は改善されるのではないかと思われた方も多いと思いますが、モラクセラ菌は乾燥や紫外線では死滅させることができず、しかも1度衣類やタオルなどに繁殖した雑菌たちは数が増えることで積み重なってゆき、バリアを形成するため、いくら洗濯機で洗ってもなかなか流れ落とすことができません。

さらに、厄介なことにモラクセラ菌は1度乾燥させて臭いが発生しなくなったと安心しても、汗や水分を吸収することで再び増殖が始まるため、モラクセラ菌が住みついている衣類やタオルを着用して汗を掻いたり、湿っぽい状態でタンスやクローゼットにしまってしまうと、たいへんなことになってしまいます。


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部屋干しによる悪臭を発生させないための対策方法


60℃の温水でしっかり洗う

海外では生乾きの原因菌や伝染病などを予防するために古くから温水で洗濯をする習慣があります。

そのため、海外の洗濯機は95℃、60℃、40℃、30℃と使用する水の温度を細かく設定できる洗濯機が多く、さらに洗剤の種類も色柄物専用や白もの専用などバリエーションが豊富なため、それぞれの衣類やタオルの特徴に合わせて使用する洗剤を変えているそうです。

日本では水温の高い水で洗濯することを禁止しているため、60℃のお湯で洗濯することはできませんが、脱水後すぐに100℃以上のアイロンをかけることで、60℃の温水で洗濯したときと同じ効果を得ることができます。

※熱に弱い繊維の場合、縮んでしまう恐れがあります。必ずタグを確認してから行ってください。アイロンをかける際は、フェイスタオル1枚分の面積を5分かけてかけるのがコツです。

コインランドリーを活用する

自宅にアイロンが無い方はコインランドリーを利用するのがオススメです。温風で繊維の奥までしっかりと乾燥してくれるコインランドリーは、部屋干し特有の生乾きのにおいを防いでくれます。

酸素系漂白剤を使う

酸素系漂白剤には優れた臭い抑制効果がありますので、部屋干しによる生乾き対策にはもってこいのアイテムとなっています。ただし、酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプの2種類あり、

・液体タイプ⇒色柄物
・粉末タイプ⇒白もの

とタイプによって異なりますので覚えておきましょう。

また、酸素系漂白剤は塩素系と混ぜて使用するとたいへん危険ですので、絶対に混ぜないでください。

除菌を確実に行いたいという方は、40℃のぬるま湯に酸素系漂白剤を加えて浸け置きした後に洗濯機で洗うと良いでしょう。

最近では部屋干し専用の洗濯洗剤が販売されており、大半の洗剤に酸素系漂白剤が配合されていますので、部屋干し専用の洗濯洗剤を購入する際は酸素系漂白剤が含まれているかどうかを確認してから購入することをオススメします。

※浸け置きする場合、

・40℃以上のお湯に漬け込む
・粉末タイプの洗濯洗剤と酸素系漂白剤を組み合わせた溶液に漬け込む

どちらも20分間漬け込んでください。

洗剤を使い分ける

部屋干しによる生乾きのにおいを防ぐためには、液体タイプよりも粉末タイプを使うのが良いとされています。その理由は、液体タイプに比べて粉末タイプの方が高い洗浄能力を持っているからです。

衣類やタオルなどに付着している汚れの大半が酸性であり、弱アルカリ性の粉末タイプの洗濯用洗剤は汚れを洗い落とすのに適していると言えるのです。ちなみに、液体タイプやジェルボールタイプの洗濯用洗剤は「中性」、漂白系は「酸性」となっています。

湿った衣類やタオルなどを直接洗濯機に入れない

汗で湿った衣類やお風呂上りのタオルを直接洗濯機へ入れてしまうと、湿気の溜まりやすい洗濯槽の中で衣類やタオルに付着している数多くの雑菌が増殖を始め、生乾きの原因となります。

湿った衣類は通気性の良い洗濯かごへ入れておき、濡れたタオルはハンガーで乾かしてから洗濯しましょう。

洗濯槽の汚れを落とす

洗濯した衣類やタオルから生乾きのにおいがする原因は、部屋干しだけではありません。洗濯槽が汚れていたり、カビや雑菌が繁殖していると、「蓄積臭」と呼ばれる臭いが衣類やタオルなどに付いてしまいます。

洗濯後には洗濯槽に湿気がこもらないようフタを開けっ放しにし、定期的に洗濯槽の掃除を行うようにしましょう。

他にもアイロンをかけてから干す、扇風機で風を回す、除湿機やエアコンを活用するなど様々な生乾きのにおい対策がありますので、「これなら私でもできる」というものから取り組んでみてはいかがでしょうか。


まとめ

いかがでしたでしょうか。

衣類やタオルを部屋干し特有の悪臭から守るためには、天日干しで衣類やタオルなどをしっかり乾かすことがオススメですが、衣類やタオルが日焼けしたり、花粉やPM2.5などが付着したり、急な雨風によって洗濯物がダメになってしまうといったデメリットもあります。

どうしても洗濯した衣類やタオルを日焼けや花粉、PM2.5などから守りたいというときは部屋干しでも良いのですが、天気の良い日くらいは洗った洗濯物を太陽の日差しに当てて、繊維の奥までしっかりと乾かしてカビや雑菌を退治しましょう。

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