「ストレスや疲労、寝不足などが原因でベッドのシーツに鼻血が垂れてしまった」「就寝中に虫に刺されて掻き毟ったら布団に血が付いちゃった」「寝相が悪くて布団のシーツに血が!どうしよう…。」など、様々な理由で布団やシーツに血が付いてしまうことがよくあります。
昔から『血液の汚れは洗ってもなかなか落とせない』と言われていますが、実際はそんなことありません。正しい知識を身につけることで誰でも簡単に血液汚れを落とすことができるようになります。
では、なぜ布団やシーツに付いた血液の汚れが落としにくいと言われているのでしょうか。
血液の汚れが落としにくい理由
布団やシーツなどに付いてしまった血液汚れが落としにくいと言われる理由は2つあります。
1つは「時間経過による乾燥」です。
血液には血液凝固に関わるたんぱく質「フェブリン」が含まれています。フェブリンは時間が経過すると硬化する性質があるため、布団やシーツに血液が付着してしまうと血液が凝固して落としにくくなってしまうのです。
もう1つの理由は「温度」です。
よく布団やシーツに付着した血液汚れをお湯で洗う方がいますが、血液に含まれるたんぱく質は60度前後になると硬化を始める性質があるため、お湯を使って血液汚れを落とそうとすると血液が凝固してしまい、逆に落としにくくなってしまいます。
もし、布団やシーツに血が付いてしまったら、「どうしよう」とパニックにならないよう一旦深呼吸して気持ちを落ち着かせ、出来る限り早めに冷たい水で洗い流すことが血液汚れをキレイに落とすポイントです。
※血液が付着していることに気付かず、乾燥機やアイロンなどをかけてしまうと永久に血液汚れが落ちなくなってしまいますので要注意です。
布団やシーツに血が付いてしまった場合、その血液汚れが乾いているか否かで落とし方が変わってきます。
血液汚れが乾いていない場合の落とし方
①ベッドからシーツを取り外し、40℃以下の冷水が張られた洗面器で血液汚れを手で揉み洗いします。
②ここから先は汚れの落ち具合などによって落とし方が変わりますので、下記を参考にしてください。
手順①で落とせなかった頑固な血液汚れを「過酸化水素水」で落とす場合、血液汚れに直接過酸化水素水をかけて、20分から25分ほど放置します。その後、ペーパータオルなどを使って血液汚れをギュッと押さえてください。もし、過酸化水素水が無い場合は無糖の炭酸水で代用することが可能です。
・20分も待てない方は「お酢」を使うと過酸化水素水よりも早く汚れを落とすことができます。
・過酸化水素水は光にあたると水へと変化してしまいますので、明るい部屋で血液汚れを落とす場合は過酸化水素水をかけた部分をサランラップで覆い、上から濃い色のタオルを被せておくと過酸化水素水が水へと変化するのを食い止めることができます。
手順①後、血液汚れにアンモニア成分を含むガラス用洗剤を直接吹き掛け、15分ほど放置します。その後、シーツの裏側から40℃以下の冷水をかけてしっかり洗い流したら完了です。
この方法で血液汚れが落とせなかった場合、冷水240mlにアンモニア大さじ1杯を加えてアンモニア水を作ったら、スプレーボトルへ入れ、溶液をしっかりと混ぜ合わせます。
よく混ざったアンモニア水を血液汚れに吹き掛け、30分から60分ほど放置します。時間が経ったらシーツに含まれる余分な水分をキレイなタオルや布で吸い取り、冷たい水でシーツをお洗濯してください。
・色柄物のシーツにアンモニアを使用してしまうと色落ちなどをすることがありますので目立たない場所で試してから使用してください。
手順①後、「水2:重曹1」の割合で作った重曹ペーストを冷水で濡らした血液汚れにベッタリと塗り付けてゆきます。重曹ペーストを塗り込んだシーツを天日干しします。しっかり乾いたら重曹を祓い落とし、冷水でシーツをお洗濯したら完了です。
・タルカムパウダーやコーンスターチ、片栗粉などでも同様の効果が得られます。
手順①後、食塩大さじ2杯と食器専用洗剤大さじ1杯を混ぜ合わせたものを冷水で濡らしたシーツの血液汚れに塗ります。15分から30分ほど放置し、冷水でシーツを洗ったら完了です。
・食器専用洗剤を切らしてしまった場合はシャンプーで代用可能です。
手順①後、「重曹:過酸化水素水:冷水」を「1:1:1/2」の割合で作った溶液をスプレーボトルへ入れてしっかりと混ぜ合わせます。この溶液をシーツの血液汚れに吹き掛けて5分間放置したら水で洗い流してください。これを2回繰り返したら、仕上げにシーツを冷水でお洗濯して完了です。
・この溶液を使ったシミ取りは合成繊維と綿の合成生地に最も有効的です。是非お試しください。
④洗濯機が止まったら、衣類乾燥機を使用せず、すぐに天日干しをしてしっかりと乾かしたら完了です。
血液汚れが乾燥してしまった場合の落とし方
①布団またはベッドからシーツを取り外し、大きいサイズの桶に中性洗剤を溶かした冷水を張り、一晩浸け置きます。
②ここから先は汚れ具合などによって落とし方が変わってきますので下記を参考にしてください。
乾燥した血液汚れが小さい場合、お酢をボウルへ入れて血液が付着している部分を浸してください。もし汚れが大きい場合はタオルや布の上に血液が付着した部分を乗せ、直接お酢をかけてください。どちらも30分ほど浸け置いたら冷水を使って通常通りのお洗濯をしたら完了です。
手順①後、肉乳化剤大さじ1杯と水小さじ2杯を混ぜ合わせたペーストを血液汚れに塗り込み、生地に馴染ませます。30分から60分ほど放置したら、乾燥したペーストを祓い落とし、仕上げに冷水を使ってシーツをお洗濯してください。
それほどひどくない血液汚れの場合、小さめの容器に「洗濯用洗剤1:水5」の割合で入れてしっかり混ぜ合わせたものを血液で汚れてしまった部分に直接塗ってゆきます。毛の柔らかなブラシを使って汚れた部分を擦り、10分から15分ほど放置します。
シーツに残った洗濯用洗剤を湿らせたスポンジやタオルなどでよく拭き取り、白いタオルでシーツを押さえたらよく乾かしてください。
手順①後、血液汚れに直接過酸化水素水をかけ、毛の柔らかなブラシを使って擦ります。5分から10分ほど放置したら、湿らせたスポンジを使って余分な水分を吸い取りましょう。乾燥した真っ白なタオルを使って血液汚れを拭き取ったら完了です。
・過酸化水素水は光にあたると水に変化してしまいますので、明るい部屋で作業をする際は必ず過酸化水素水を直接かけた場所をサランラップで覆い、色の濃いタオルを被せておきましょう。
・過酸化水素水を使用する際は色落ちしないか事前に確認してから使用してください。
・過酸化水素水でも落ちなかった場合は最終手段としてアンモニアの原液を使うのがオススメです。ただし、アンモニアの原液は色柄物に使用するのはお勧めできません。
何をしても落とせない乾いた頑固な血液汚れを落とすには、ホウ砂と水を混ぜ合わせた溶液を使って落としてゆきましょう。取扱説明書の指示に従いホウ砂と水を混ぜ合わせた溶液を作り、シーツを一晩浸け置きます。翌日、冷水でしっかりと洗い、天日干ししたら完了です。
今回は布団やシーツに血が付いてしまった場合の落とし方と洗濯方法についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。血液が布団やシーツなどに付着した場合、1度のお洗濯ではキレイに落とせないことがあります。
もし、血液汚れがキレイに落とせなかったときは、再度シミ抜き処理を行い、汚れの痕跡が無くなるまで何度もしみ抜きとお洗濯を繰り返してゆきましょう。
真っ白なシーツに血液汚れが付着してしまった場合は漂白剤を使用することができますので是非お試しください。