主婦のあいだで話題となっているナチュラル掃除の定番アイテム「重曹」は、「炭酸水素ナトリウム」や「重炭酸ソーダ」とも呼ばれており、人にも環境にも優しい弱アルカリ性の白い粉のことです。
海外では「Baking soda」と呼ばれており、熱を加えたり、酸性の液体と混ざり合うことで炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素へと分解されるため、昔からホットケーキやどら焼き、カルメ焼きなどの生地を膨らませるための膨張剤(ふくらし粉)として用いられてきました。
ただ、重曹を使うと生地が黄色っぽくなったり、独特な苦みが出てくるため、現在は重曹に酒石酸やクエン酸、リン酸カルシウムなどの助剤を加えたものを料理に使うのが一般的となっています。
安全性が高く、使用後も人や環境への負担が少ないことから大人気の重曹ですが、掃除のアイテムとして使用する場合は、いくつかの注意点を守って使用する必要があります。
そこで、今回は「重曹」を掃除に使用する場合の注意点と上手な使い方についてご説明します。
重曹を掃除に使用する際の注意点
重曹を掃除に使用する際は、以下のことに注意してください。
・漆器やプラスチックなどの柔らかい素材に付着した汚れを重曹で落とすと表面が傷付く恐れがあります。
※十分に重曹を溶かした重曹水ならば問題ありません。
・重曹の粉が目に入った場合、キレイな水でしっかりとすすぎ流し、痛みがある場合は医療機関を受診してください。
・湿気を吸収すると固まってしまうことがありますので、しっかりとフタをして湿気の少ない環境で保管しましょう。
・畳に使用すると変色する恐れがあります。
・調理用の重曹を掃除に利用することは可能ですが、その逆はできません。
重曹は粒子が細かいのでクレンザー代わりとして利用することができ、さらに消臭・除湿効果も得られるため、つい既定量よりも多めに使用してしまうという方も多いですが、濃度を濃くして使用すると溶けなかった重曹によってスプレーボトルが詰まってしまいますので、必ず既定量を守って使用するようにしてください。
重曹の上手な使い方
弱アルカリ性の重曹は酸性の汚れを落とすことには適していますが、同じアルカリ性の汚れを落とすことには向いていません。
また、同じアルカリ性のナチュラル洗剤「炭酸ソーダ」や「セスキ炭酸ソーダ」と比べ、アルカリ度が弱いので油脂を乳化したたんぱく質を分解する能力は強くありません。さらに、やや水に溶けにくい性質を持っているため、重曹水を作る際は必ず用量を守って使用する必要があります。
では、重曹を使って上手に掃除をするためにはどうしたら良いのでしょうか。
重曹は酸性の汚れを落とすことに向いていますので、
・キッチン周辺の油汚れ
・お風呂場の皮脂汚れ
・湯垢
・タバコのヤニ汚れ
・生ゴミの腐敗臭
などを落としたり、臭いを消し去ることを得意とします。
ただし、長時間放置したことで固まってしまった頑固な油汚れや泥汚れ、アンモニアなどのアルカリ性の臭いなどを落としたり、消し去ることは不得意ですので、こうした汚れなどを発見したときは別のナチュラル洗剤を使用しましょう。
重曹を掃除で使用する際、
・水と混ぜ合わせて溶液を作る
・汚れを落としたい部分に直接振りかける
・ペースト状にして塗布する
などの方法が一般的となっています。
重曹の使い方とオススメの掃除方法
・電子レンジ掃除
・電気シェービングの汚れ落とし
・フライパンや鍋の焦げ落とし
・銀食器やカラトリーのくもり落とし など
汚れた部分に直接振りかける
・急須や湯呑など付着した茶渋や湯垢
・落としにくい水筒のボトル底に付着した汚れ
・窓ガラスやサッシのお手入れ
・キッチンの排水口掃除
・お風呂場のタイル汚れ
・下駄箱やタンスの消臭
・油汚れがベッタリ付着した食器を洗う など
ペースト状にして塗布する
・換気扇やガスコンロなどの頑固な油汚れを落とす など
掃除したい場所や付着した汚れなどに合わせて重曹の使い方を変化させることがポイントとなります。
人と環境に優しい重曹を使ってキッチンやお風呂場などを掃除してみたけど、みんなが言うほどキレイに汚れを落とすことができなかったという方も大勢いましたが、重曹の特徴や注意点などを知ることで、落とせる汚れと落とせない汚れがあることがお分かり頂けたかと思います。
これから重曹を使った掃除を始めたいという方は、重曹とはどのようなものなのかを事前に知っておくことで、今後の重曹掃除に役立ちます。
是非、この機会に重曹についての知識を身に着けてみませんか。
